2017年夏モデルパソコンが各パソコンメーカーから発表され、 新機種が出揃いました。
最近の特徴はなんといってもパソコンの売れ行き不振を受けて、前期のモデルの継続販売が多いことと の売れ筋がノートパソコンから、デスクトップパソコンに移っていることです。
最近の主流はマイナーチェンジ
パソコンが売れない理由としてスマホと同じように、新しい付加価値が出尽くしたのも原因のひとつ。 そもそも毎回の発表ごとに新機種を発売しても、 筐体は変えずにスペックだけを変えたマイナーチェンジのようなもので 新機種を発表するより、おすすめの機種を売り続けてもらった方が パソコンメーカーとしては開発コストが安くなり、 消費者としても価格と性能の安定が期待できるメリットがあります。
今回のように、これまで発売したモデルの継続販売は、今後も加速すると思われます。 将来的には車の発売のように、何期に一度のマイナーチェンジを繰り返して 新筐体の導入といった流れになるのではないでしょうか。
夏モデルのパソコンを見てもうひとつ気づいたことがあります。 デスクトップパソコンのノートパソコン化です。
デスクトップパソコンのノートパソコン化
デスクトップパソコンは拡張性が高く、スペックの割にノートパソコンより安いというのが これまでの常識でした。
この常識を覆す製品が発売されたのが2008年春モデルの富士通製パソコン「FMVFA50」です。「FMVFA50」は画期的なパソコンでした。 外観はMacを連想させるスタイリッシュなフォルム。 電源ボタンやイジェクトボタンにタッチセンサーを採用。 そして超薄型デザインでデスクトップでありながら、 簡単に家庭内で持ち運びができるというものでした。 キャッチフレーズは「デスクからの解放」 「FMVFA50」のコンセプトを物語っています。
「FMVFA50」はデスクトップのようで、 ノートパソコンのような軽さと薄さを持ち合わせているパソコンでした。 スタイリッシュなフォルムと、ノートパソコンのような軽さと薄さを追求するために 開発チームが選んだ道はまさしく「デスクトップパソコンからの解放」で、ノートパソコン化だったのです。
ノートパソコン化の工夫
薄さを追求する場合に、一番邪魔なのは電源ユニットです。 電源ユニットは直方体状のもので、これを筐体に内包するためには最低限厚さは15センチ近くになります。 そのため、電源ユニットを外に出す=ACアダプタ化するしかなく、 ACアダプタの許容範囲内の電力量で動作するパソコンとするためには ノートパソコン化するしか選択肢はありませんでした。
AC電源で動くノートパソコン用のマザーボード、ノートパソコン用のメモリ、 ノートパソコン用のHDDで作られたこのパソコンは、 デスクトップパソコンというジャンルでありながら、 その主要パーツそのものはノートパソコンの応用だったのです。
この機種はそのスタイリッシュなフォルムから、人気商品となりました。 他のメーカーも追随し、競うように同様の製品を開発してきました。 それからというもの、モニタと一体型のパソコンが デスクトップパソコンの主流となり現在に至ります。
売れ筋はデスクトップパソコン
今回の夏モデルに目を移してみると、このデスクトップパソコンでありながら ノートパソコンのテクノロジーを使ったデスクトップパソコンが多いことが 改めてよくわかります。
他のパソコンはデザイン性に優れ、スタイリッシュですが、 その反面デスクトップの高性能で拡張性が高く、ノートパソコンより安価なメリットが なくなっている印象です。
ただし、現在のノートパソコン化しているデスクトップパソコンですが ノートパソコンより大きな画面で作業できるメリットがあります。 スマホも普及して、パソコンのニーズは大画面に移ってきたようです。
持ち歩かないで大画面で見たい場合にはデスクトップ、 持ち歩いて使い、画面が大きくなくていい場合にはノートパソコンという使い分けが できそうです。
デスクトップのメリットとデメリットを知り、主な用途を踏まえたうえで 自分に合ったパソコンを購入したいものですね。