私も利用していますが、パソコンでテレビ番組を見れると とても便利なことが多くあります。
HDDレコーダーよりも大容量で録画時間も長く HDDレコーダーよりも画質がきれいで、 また、TVを見ながらWord、Excelの作業を同一の画面で行うことができます。
出典:https://www.digimonostation.jp/0000033119/
- チェック1十分な受信レベルがあるかどうかの確認
- ブースターとアッテネータ
- チェック2 BS/CSアンテナに電源供給が必要かどうか確認してください。
- チェック3 CATVをお使いの場合、ご利用のTV局の番組配信方式の確認
- チェック4 お使いのルータの使用環境の確認
パソコンでテレビを視聴するときのメリット
一番おすすめなのは、視聴している番組の登場人物や、言葉、場所などを 同一の画面の中で、すぐにインターネットで検索したり、 メモ帳にメモしたりできるところです。 現在はTV自体をパソコンのモニタにしているため、 テレビとパソコンのモニタを2つ並べる必要がないところもメリットの一つです。
このようにメリットが多いパソコンでのテレビ視聴ですが、 実は視聴環境によっては視聴できない可能性がある、 少し敷居が高い機能であることは、あまり知られていません。
パソコンでテレビを視聴したい場合のチェックポイント
パソコンのテレビ機能と使うときのメリットとデメリットについては 「目的/用途」のコンテンツで触れていますが、 もう少し詳しく教えてほしいという声もあって 今回はパソコンを購入してテレビ機能が使えないことがないように ご家庭の環境でテレビ機能が使えるかどうかの チェックポイントをまとめてみたいと思います。
チェック1十分な受信レベルがあるかどうかの確認
ご家庭のテレビと比べて、パソコンでテレビ番組を視聴する場合には、 より強い放送波のレベルが必要です。
ご家庭のテレビは映像を受信する単体の機能のため、 低いレベルの放送波でも増幅して受信が可能ですが パソコンにとってテレビ機能は、多くの機能の中の一つであるため、 より強い放送波の受信レベルが必要です。
うちはテレビが見られるから、というのは残念ながら根拠にはなりません。
例えば大阪と兵庫の間の地域では、神戸に住んでいてもサンテレビを見たいからと 大阪にアンテナを向けたり、山間部であるため大阪にお住まいでも、神戸局のチャンネルを 見ている方が多い地域です。
テレビで別の県の放送が見れるからと言って、パソコンで見れる可能性はとても低いと言わざるを得ません。
該当の放送局の放送波の受信がしやすい地域か、また難視聴地域で放送を見ることができないかの目安が 以下のサイトで確認ができます。
A-PAB 社団法人放送サービス高度化促進協会 放送エリアのめやす
お住いの郵便番号を入力すると、お近くのテレビ塔から受信できる範囲が色付きで表示されます。 お住まいの地域に色がついていなかったり、また色がついている地帯でも端に近い地域だった場合には 受信が難しい地域のため注意が必要です。
分配器
また、これまでご家庭のテレビでTV番組を視聴していた環境にパソコンを追加する場合、 必然的にテレビのアンテナ線を2つに分岐するものが必要です。 この分岐する機械を「分配器」と言います。
「分波器」と混同しやすいですが、わかりやすく例えると分配器は流れを均等に分ける 100の「地上波+BS+CS」の波を、均等に50の「地上波+BS+CS」と50の「地上波+BS+CS」の波に 分けるのが分配器です。 2つに分けるため、テレビとパソコンにそれぞれアンテナ線を接続することができます。
一方分波器は放送波ごとに分けることができます。 具体的には「地上波+BS+CS」の波を「地上波」と「BS+CS」に分けるものです。 誤って購入してしまった場合、どちらかが地上波しか映らず、どちらかがBS/CSが映らなくなるので 注意が必要です。
便利に見える分配器ですが、放送波を2つに分けるため、どうしても受信レベルが低下します。 パソコンでテレビ放送を見る場合には、強い受信レベルが必要です。 パソコン内のレベルメーターで最低60以上が目安としてください。
もしHDDレコーダーやほかのTVなどで既に分配している場合は、 分配した放送波をさらに分配するので、一般的に受信レベルが足りないことが多くなります。
ブースターとアッテネータ
お住まいの地域による影響や、分配器、分波器による影響で、テレビの受信レベルが足りない時には「ブースター」という機械の導入が必要です。 このブースターをアンテナ線とパソコンの間に入れることで、 少ない放送波を増幅することができます。
また逆にどれだけ分配しても、CATVをご利用の場合には、 受信レベルが高すぎて見れないこともあります。 パソコン内のレベルメーターで90以上、または100を超えてしまっている場合です。
このような場合には、「アッテネータ」という機械で、受信レベルを下げる必要があります。 パソコン自体もソフトアッテネータの機能を搭載している機種も多いです。
受信レベルが原因でパソコンでテレビが正常に視聴できない場合には、 取扱い説明書でソフトアッテネータ機能を確認し、それでも改善できない場合には 電界強度計持参して自宅の環境を確認してもらえるように、 お近くの電気店に依頼した方がよいでしょう。
チェック2 BS/CSアンテナに電源供給が必要かどうか確認してください。
BS/CSが映らない場合に一番多いのがこのケースです。 まず、購入前にBS/CSのパラボラアンテナをご利用の場合、 アンテナ電源はどこから取ってきているのかを確認をしてください。
一般的にベランダのコンセントや、ご家庭のテレビからアンテナ電源を取ることが多いですが 他に電源がない場合、パソコンからパラボラアンテナに電源を供給することが必要です。 多くのパソコンにはこの電源供給機能はついているのですが、 ノートパソコンは基本的に電源供給の機能がないため、 このようなケースではBS/CSの視聴ができなくなってしまいます。
またデスクトップパソコンを購入する場合でも、 確実にアンテナ電源供給機能がついているかどうかを確認して 購入することをおすすめします。
チェック3 CATVをお使いの場合、ご利用のTV局の番組配信方式の確認
CATVの番組配信方式は以下の3つです。
同一周波数パススルー
周波数変換パススルー
トランスモジュレーション
このうち、「トランスモジュレーション」方式の場合には、 セットトップボックス(STB)という機械を経由し放送データを変換して 初めて番組として視聴できるというシステムのため 残念ながらパソコンでテレビ放送を見ることはできません。 例えばJ-comをご利用の場合、BS/CSのみトランスモジュレーション方式での放送の場合が多く 注意が必要です。
CATVをご利用でなくても、マンションなどにお住いの場合、マンションのテレビ放送自体が アンテナでなくCATVを使っている場合があるためご注意ください。
チェック4 お使いのルータの使用環境の確認
ワイヤレステレビをお使いの場合の注意事項です。 これは原理がちょっと難しいので、できるだけわかりやすくお伝えしたいと思います。
ワイヤレスTVとは受信機とパソコンが分かれていて、受信機で受信した放送波をパソコンに ワイヤレスで飛ばすという仕組みです。 これはVirtual Wi-Fi(仮想Wi-Fi)といって、無線のインターネットの仕組みと同じ原理を 使っています。そのため、近くの無線の電波に干渉されやすいのが特徴です。
単純に1時間のテレビ番組が4GB(4096MB)だとすると、 1秒間に1.13MBの容量の通信速度が必要です。 Youtubeの動画を見ていても、1秒間に1MB以上の膨大な容量の動画はめったにありません。 膨大な容量の動画データがないにもかかわらず、少ない容量の動画データでも 途中で止まってロード時間が発生することがあることから、 放送波はどれだけ大きなデータをやり取りしているかがわかると思います。 そもそもその大量のデータを、ワイヤレスで正常に視聴すること自体が難しいことなのです。
これを正常に視聴できるように近づけるためには、ルータが重大なカギを握っています。 まず数年前にルータを購入された場合は、ワイヤレスTVをコマ落ちや途切れることなく視聴するのは とても難しいと言わざるを得ません。
数年前のルータは規格が「IEEE801.11a、IEEE801.11b、IEEE801.11g」というものが多いと 思います。この場合、そもそもの通信速度が遅いだけでなく、世にたくさん流通している規格のため ご近所の無線LANも同じ規格の電波が飛び交っており、 どうしてもご近所の電波と干渉して正常に視聴できないことが多いです。
少し新しいルータであれば規格が「IEEE801.11b、IEEE801.11g、IEEE801.11n」 という製品もあります。 IEEE801.11nという規格は比較的新しく通信速度が速いのが特徴ですが、 この種の製品はIEEE801.11nでも、IEEE802.11g/nという 2.4GHz帯規格を使用しており、これも前述のルータと同等の規格で とても普及していることから、ご近所の無線LANと干渉してしまいます。
比較的干渉しにくいのが「IEEE801.11a、IEEE801.11b、IEEE801.11g、IEEE801.11n」という 5GHz帯を使用する製品です。これは、「IEEE802.11a/n」という規格がまだ普及していないため、 ご近所の電波と干渉を起こすことなく使用できる可能性が高いルータです。
うちの場合には、「IEEE802.11a/n」を使用することで電波干渉はなくなったのですが そもそもルータの通信速度が、地上波のデータに足りないようで、 頻繁にコマ落ちが発生していました。 そこで、転送速度がとても速い最新の規格「IEEE802.11ac」のルータに変更したところ、 安定して視聴できるようになりました。
今回は少し難しい話が多かったのですが、 一人でも多くの方に、パソコンのテレビ機能を便利に使っていただきたいと願っています。