絶対に失敗しないパソコン選び

パソコン購入時に絶対に失敗しないパソコンの選び方をまとめてみました

バッテリ駆動時間がカタログ値より短い理由を調べてみた

パソコンの購入を検討する時に、パソコンメーカーのカタログを 手にすることがあります。

特にノートパソコンの場合、持ち歩くことを想定すると バッテリの電源だけでパソコンがどれくらい動作するのか とても気になるところです。

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バッテリ駆動時間カタログ値

各メーカーのカタログには「バッテリ駆動時間」として、 その機種のバッテリ駆動だけでパソコンが動くことができる 時間の記載があります。

たとえば「5.8時間」とか「7時間」などとカタログに記載があると そんなにバッテリの持ちがいいのかと思って 外出時にいろんなところへ持ち歩いて使おうなどと 夢を膨らませたりもします。

ただ、いざパソコンを購入して使ってみると、 すぐに画面が真っ暗になったり、 「ピピッ」と音が鳴ってバッテリの残量不足になったりと、 なかなかカタログでうたってる時間分を バッテリ駆動でパソコンを動かすことができません

そうなると購入時の期待を裏切られてしまったと思い カタログ表記の時間が間違ってて パソコンメーカーが意図的に多めに時間を表示しているのかと 疑いたくもなったりします。

JEITA

でも意外と知られていないのは パソコンメーカーが表示しているバッテリ駆動時間は 本当に検証されている正しい時間なのです。

じゃあなぜ、実際に使っているユーザーがカタログ記載の 「5.8時間」とか「7時間」分バッテリ駆動だけで パソコンが使えないのかと矛盾が生じてしまいます。

前置きが長くなりましたが今回の本題はここからで この矛盾を解決するには「JEITAバッテリ動作時間測定法」という 耳慣れない言葉を理解する必要があります。

社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)のWebサイトには 以下の記載があります。

[blogcard url=”http://www.jeita.or.jp/japanese/″]

 

「電子情報技術産業の総合的な発展に資し、我が国経済の発展と 文化の興隆に寄与することを目的とした業界団体です。」

つまるところ、電子メーカーの業界団体です。 その業界団体が、バッテリ駆動時間の表記が 各メーカーでバラバラにならないように定めた基準が 「JEITAバッテリ動作時間測定法」です。

JEITAバッテリ測定法

この測定法は以下の2種類の測定法があります。

測定法a

「画面輝度を20cdとしMPEG1の動画ファイルをハードディスクから読み出しながら 連続再生する時間を測定する。音量は最低とする(ミュートでも可)(後略)」

測定法b

「LCD輝度最低にてデスクトップ画面の表示を行った状態で放置。(中略) 液晶輝度:設定可能な輝度で最低値。(後略)」

この測定法a、bで得たバッテリ駆動時間の平均値を 「バッテリ駆動時間」として公表してよいことになっています。

 

JEITA測定法の時間はなぜ実際の使用時間と違うのか

簡単に言うと「測定法a」は 暗い画面で動画を流しっぱなし、かつ音声はミュートで どれくらいバッテリ持つか測定する方法で 「測定法b」は 設定できる一番暗い画面で、ソフトウェアを何も動かさないで放置して どれくらいバッテリ持つか測定する方法です。 普通にパソコンを使う場合 せっかく動画を見ているのに 暗い画面でミュートにすることはないし 設定できる一番暗い画面で放置することもないため バッテリ駆動時間(カタログ値)と実際の使用時間(実測値)が 異なるのはこのためです。

我々がパソコンを使っているときには 画面を暗くしないし音も出します。 画面の一番右下の時刻の横の通知領域には セキュリティソフトやインターネット接続など、 そのときに動いている様々な機能やソフトウェアがあり、 それぞれが電力を消費しているため、 バッテリ駆動時間がカタログ値と同じにはならないのです。

実際のバッテリ駆動時間の目安

これまでの経験上バッテリ駆動時間は以下を目安に 個人的には考えています。

バッテリ駆動時間(カタログ値)/2 = 実際の駆動時間

よかったらパソコン購入時に参考にしてください。

なぜ実測値ではないのか

そこまでわかってるのであれば ちゃんと実測値をパソコンメーカーは公表するべきではないかと、 実測値ではない値を示すことに 否定的な意見があるとは思いますが JEITAが一定の基準を示しているおかげで 各メーカー共通した尺度でバッテリ性能を比較することができる 消費者側のメリットもあります。

また、パソコンという製品は画面の明るさや音声の大きさだけでなく どんなソフトウェアを動かしているのか プリンタやデジカメなどの周辺機器を使っているかどうか インターネットの回線の種類や接続方法はどうなのかなどの それぞれパソコンの使用環境で消費電力が大きく変わるため、 そのようなパソコンの特性に合わせて一定の基準を示した 苦肉の策がJEITA測定法なのかもしれません。

本当はメリットのはずのパソコンの自由度が 「バッテリ駆動時間」においては、実測値を示すことができない原因になり 一定の基準を示すことで機種やメーカー間の バッテリの性能を比較できることから 「JEITA測定法」は十分意義があるものだと思います。

A4型ノートパソコンはモバイル用パソコンではない?

余談ですが A4型のノートパソコンは、もっと小さいパソコンのモバイルノートと 区別してカタログに表記されています。

これはA4型のノートパソコンはノートパソコンと言っても 持ち歩くのではなく、ホームユーズのパソコンとして 位置づけられているからです。 乱暴な言い方かもしれませんが、デスクトップパソコンと用途は同じで 家の中で使いという前提で設計されており 家の中だけでの移動しか想定されていないため、A4型タイプのパソコンは バッテリ駆動時間が短く設計されています。

外出先でパソコンを使う予定がある場合には 特に注意してパソコンを購入した方がよいのかもしれません。